忍者ブログ
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 拍手する
| | 【2024/04/20 16:50 】 TOP▲
WHO IS IT (余談編) ~マキシシングル図鑑~
仕事も何もかもほったらかして、カリフォルニアか東京ディズニーランド、あるいは南アフリカにでも行っていたというアナタ、おかえりなさい。でも夏はまだまだ、これからですよ!

当サイトの「勝手にマイケル祭」、デンジャラス・マキシシングル・ツアーも2ndレグのキックオフです。それにしても、目標は、誕生日の8月末までに、せめて『ONE MORE CHANCE』か、できればスリラー25あたりまで到達したかった(すでに過去形)んですけれど、ん~~、このペースで行くと・・・・・・
michaeljackson_0611_250.jpg


さて、今日の曲は『WHO IS IT』、デンジャラスの中でひときわダークでミステリアスな1曲です。日本では、当時の他のMJシングルのヒットと比較して、やや地味なイメージの1曲かもしれませんが・・・実は意外と、曲にまつわるトリビアや小ネタが多い曲でもあり、リミックスがパワフルな曲でもあります。プラス、レア盤要素もいろいろとあり、マキシシングル・コレクターにとっては、ここが一つ、肝ですよ!

まずはいつものように、チャートをチェック。米R&Bシングル・チャートで最高6位、総合HOT100では最高14位をマーク。UKでは10位が最高でした。そして、ありがとう!またもやジンバブエでナンバー1を獲得しています──ぼちぼち気がついている人もいるかもしれませんが、ジンバブエのチャートは、マイケル・ジャクソンを本当に大好きなんですね
続きを読む
 >> 続きを読む >>



この曲のマキシシングルは、大きく分けて2種類。見た目(ジャケ写)、リリース時期、リリース意図、収録トラックなど、あらゆる点でいつも以上に大きく異なる2種類です。

その2種類とは、「アメリカ盤」と「それ以外」で、毎度のことですが、もちろんその中にもさらに細かくバリエーションがあります。今回はとにかく、「アメリカ盤」だけが他と大きく違う特殊パターン、と思って下さい。(ちなみに日本盤は、他の曲では「本国アメリカ盤に倣う」という形が多いのですが、この曲に関しては「それ以外」組に入ります。)

『WHO IS IT』のシングルCDとして、最も一般的で、現在入手しやすいのは、「それ以外」の方の盤です。アメリカ盤は数的にもややレアで、かつ、内容的にとても特徴的な1枚なので、ハッキリ言って人気盤、ちょっとしたプレミア盤です。その理由は、出生に秘密があります

いろんな話があるなぁ・・・順番に述べていこうと思います──ウ~、長い夜になりそうだ!今回は、昔話風の余談が多くなりそうなので、純粋にCDのデータが知りたい人は、次回まで待て!

sb24.jpg92年の6月──これはシングルで言うと『IN THE CLOSET』『JAM』あたりが流行っていた頃、壮大な「デンジャラス・ワールド・ツアー」が始まると、当然のことながら、マイケルは世界中を旅し、行く先々で大旋風を巻き起こします。「MJのデンジャラス・ツアーがやって来る」というのは、それ自体が商業的な大イベントであったばかりでなく、アルバムやシングル(やペプシ・コーラ)を売るための、最大にして最高のPR活動でもありました。

その効果をフルに活かすために、シングルカットやショート・フィルムの公開のタイミングは、マイケルが訪れる地域別に、適地適作・適材適所・空気を読め!という感じで、時に綿密に計画され、時に自然発生的に実行されていきました。なにしろ、あのゴージャスなツアー自体、莫大な費用を投じられており、CDやグッズやらでがっぽり儲けないと、下手すれば、たとえチケットが完売しても「ツアー自体では金銭的にはちっとも儲からない」とさえ囁かれたほどでした。この話の真偽は不明ですが、「夢の実現のためには費用を惜しまないマイケル・ジャクソン」としての、「ありそうな話(または神話)」といったところでしょうか。

そういった「売るための」諸々の事情から、『WHO IS IT』は、本国アメリカと、それ以外でのシングルカットの時期や内容が大きく違っています。具体的には、ツアーのキックオフ(最初の地はドイツ)で盛り上がっていたヨーロッパでは、『WHO IS IT』は勢いに乗って6月に「第5弾」シングルとしてリリースされましたが、アメリカでは『JAM』がまだまだチャートを昇ってじわじわヒットしている状況でしたから、あえてつぶし合いは避けて、このタイミングでは『WHO IS IT』はスルーされました。

ところで、『WHO IS IT』のショート・フィルムをネットやTVやDVDやLDやVHSなどで観ていて、「ん?」って思ったことはありませんか?実はこの曲のSFに関しては、この時期のマイケルのヨーロッパ戦略や、彼の過密スケジュールと完璧主義をうかがい知ることができる、ちょっとした逸話があります。

『WHO IS IT』ショート・フィルムは、監督にデヴィッド・フィンチャーを迎えた、短編ドラマ風のミステリアスな作品です。マイケルがツアーでヨーロッパ上陸中のタイミングに合わせて、イギリスの公共放送BBC2でワールド・プレミアとなりました。超多忙なスケジュールの中で制作されたとも言われるこのフィルム、マイケルは、この初放送時のバージョンの出来ばえにまったく満足できず、先走ってプレミアが放送されたことに怒ったらしい。放送翌日、フィルムはマイケルによって「無かったことに・・・」となりました。結局その後、フィルムは再編集され、ホームビデオ『DANGEROUS - The Short Films』にはなんとか無事に収録されましたが、『WHO IS IT』のアメリカでのプロモーションには、当たり障りの無い別のモンタージュ映像が使われるようになり、ドラマ・バージョンはアメリカでは半分封印のような感じになりました。

さて、そんな仕事人間のさすがのマイクも、身体は一つしかありません。ツアーでヨーロッパやアジアを席巻している最中は、本国アメリカを留守にすることになり、大きなツアーなので、それはけっこう長い期間となります。基本的に、アメリカの人々はマイケル・ジャクソンが心底大好きなので、そんな大好きなマイクの世界ツアーに本国アメリカ公演が組まれていないなんて、マイケルはもうアメリカを見捨ててしまったのだろうか??自分専用宇宙船に乗って、世界に飛び出して行ってしまって、もうアメリカにマイクの心は無いんだろうか??などと、アメリカの人々が切なく思ったかどうかは全然分かりませんが、とにかく、世界を駆け回る団長としても、本国のいとしいファンたち(と、タブロイド)を、むげに放置しておくわけにはいきません。一番身近な彼らを、もしもないがしろにすれば、「愛」はそれが深く大きい分、転じて「嫉妬」「誤解」「袋叩き」に変化しやすく、タブロイドはその隙をつねに今か今かと狙っているのです。(ご存知のように、この悪夢のシナリオは、まもなく現実のものとなります。)

そこで、団長が打った手は、ズバリ、「テレビ」でした。超過密なスケジュールの中で、最大限に効率良く、自分のパフォーマンスと人柄を世界中のお茶の間に届けるために、そしてSONYやPEPSIとしても、身体が一つしかないマイケル・ジャクソン・マーケットを根こそぎ掘り起こすために大きなテレビ・イベントを組むことは、ベストの戦略だったのです。

現在、『ライブ・イン・ブカレスト』として誰もが知っているステージは、この時期(92年夏)に単発コンサートとしての史上最高額での放映権の契約がなされ、秋にアメリカHBO(ケーブルテレビ局)をはじめとする世界中で放送されました。これはHBO史上、最高視聴率も叩き出しています。日本でも、たしかNHKのBSかどこかの局で放送され、録画したVHSビデオテープ、文字通り、擦り切れるまで観た!という人も多いはずです(私です)。

さて、そうこうしながら92年の年末は甥っ子たちやスラッシュらとともに、日本で年越ししてしまったマイケル、そろそろ一息ついて、我が家ネヴァーランドに帰りたい。帰ったついでに、留守がちだったアメリカでドカンと、インパクト大なテレビ・ショーをぶちかましたい。と、本来テレビ特番嫌いなマイケル本人が思ったかどうかは分かりませんが、93年の前半には、ドカン!級のインパクト大のテレビ出演が続きます。
1993super_bowl.jpg
スーパーボウルのハーフタイム・ショー、オプラ・ウィンフリーのトーク番組をネヴァーランドから中継、グラミー賞の感動的なスピーチ、まさかの車椅子リメンバー(!)まで、他にもたくさんのテレビでの露出があり、まさしく、「Where is he? to Here he is again 

寂しがっていたアメリカのファンたちを、せっせと楽しませたマイケル、そのお返しはキッチリと数字に表れてきました。特に、スーパーボウルとオプラのPR効果はてきめんでした。アルバム『DANGEROUS』は、米ポップ・アルバム・チャートで劇的に息を吹き返し、大ジャンプアップ すでにリリースから丸1年以上が経過していたにもかかわらず、アルバム『DANGEROUS』は、131位→スーパーボウル→41位→オプラ→10位まで急浮上しました。

で、今日は『WHO IS IT』が本題です!議論を巻き起こしつつも、見所も満載だったオプラとのインタビュー出演で、マイケルはオプラの巧みな無茶振りに応じ、『WHO IS IT』を即興でビートに乗せて──これができればアナタも確実に人気者(笑)!ヒューマン・ビート・ボックスで──歌い出します。

オプラ 「アカペラで何か歌って欲しいのよ」
マイケル 「オゥノー、何が歌えるかな・・・まいったなぁ、WHO IS IT? あー・・・(しばし困)」
オプラ 「ヒー、ヒー♪とかって、どこから出てくるわけ?」
(ヒーヒー♪のフリでスイッチが入るマイケル、ボイス・パーカッションで歌い出す)



オプラ 「ア~ゥ!素晴らしいわ!」
マイケル 「ほら、つまり、僕はさ・・・(照れ&後悔顔で、超ちっさい声で何かぽそぽそと反省の弁を述べる)」
オプラ 「あなた大好き!お知らせの後もまだまだマイケル・ジャクソン生放送が続くわよ、グレイト!気に入ったわ!」

しっかり熱唱してしまった本人だけは、なぜか最上級に気まずそうな顔をして、ラスト一瞬、自分自身に腹を立てているようにさえ見えます。私たちにとっては、一体何が不満だったのかだけが、永久に激しく謎ですが・・・ワーォ、マイク!今の何さ、もう1回やって!なんでそんなカッコいい曲、シングルカットしないのさ!?という気持ちに、全米のお茶の間が果たしてなったかどうかは確証がありませんが、おそらく、なったと私は思います(笑)。

実際、これを機にアメリカのラジオ局から、『WHO IS IT』のシングルカットの要望が出始め、SONYは即座にそのニーズをキャッチ。この時点で、世界的にはすでに次のシングルは『GIVE IN TO ME』で準備がされていたのですが、アメリカでは急遽、代打で『WHO IS IT』がカットされました。

こういった経緯で、アメリカ盤のマキシやプロモ盤には、他の国の盤では見かけない、「オプラ・イントロ」、つまり、ここで行った即興のボイス・パーカッション・パフォーマンスを、半ば無理やり(?)曲の冒頭部分にくっつけた、特殊なオマケ・バージョンが入っていて、現在ではなかなかの人気盤になっています。

・・・ほぅらね、今日は肝心なCDの所まで書けなかった!次回、引き続き、性懲りも無く『WHO IS IT』マキシシングルの紹介、続きます。
 拍手する
| マキシシングル図鑑 | コメント(0) | トラックバック() | 【2010/07/01 21:42 】 TOP▲
WHO IS IT ~マキシシングル図鑑~ホームBET Awards、クリス・ブラウンのトリビュート。
コメント

コメントの投稿









上の入力事項はすべて公開されます。公開したくない場合は空欄のまま送信して下さい。
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字





コメントありがとうございます。あなた自身の言葉を歓迎します。人から聞いた話や、自分の意見でない場合のコメントには、今一度、あなた自身が責任を持てるかどうか考えてみて下さい。根拠なきあやふやな情報や、関連のない宣伝等の書き込みは削除される場合があります。非公開でコメントを送りたい場合は、メールはコチラからメールフォームからどうぞ。

トラックバック
トラックバックURL : 
前ページホーム次ページ