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| | 【2024/04/20 21:44 】 TOP▲
公認写真集 『MICHAEL JACKSON KING OF POP』
 

マイケルについて何か書いてある本というのは、世に星の数ほど溢れています。が、その多くは、買う価値も読む意味もないばかりでなく、間違った情報やわざと捻じ曲げたイメージによって、一時の注意を惹きつけようとしているだけの有害ゴシップ本です。
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king of popマイケルは何度も何度も何度も、ファンに対して、「だまされないで。あなたの大切な時間やお金や人生を無駄にしないで。つまらないタブロイドの噂やゴミ話に気を取られないで!」と切実に訴えてきました。「あんなのは全部、ガービッジ、ジャンク(=ゴミ)だよ!」と、何度繰り返してきたことか。「山積みにして燃やしてしまえ」とさえ言いました。普段のマイケルの穏やかな言葉遣いから考えて、これがいかに激しい訴えだったか、わかると思います。

僕のことを知りたいのなら、ワイドショーやゴシップ紙よりも、僕の作品そのものをチェックしてよ!そんな当たり前のことが、なぜかなかなか伝わらなかった時期が、実際たしかにあったのです。

本当に悲しいことです。アルバム『インヴィンシブル』を聴いたことのない人に限って、なぜか「うっかり赤ちゃんバルコニーぶら下げ事件」の方だけは知っていたりする。彼の成し遂げた偉業、積み上げた努力、そして、過去の栄光を振り返らずに前を見つめるけっして揺るがない崇高なビジョンはなぜかほとんど話題にならず、「マイケル・ジャクソン?あの昔流行った『スリラー』の人でしょ。最近は整形とか破産とか奇行とか、何か変態っぽい事件を起こしてる・・・まぁ、よく知らないけど。」・・・こういう見方が、少なくとも日本では、時期によっては大勢を占めていました。

本当に悲しい。

なぜこんなつらい前置きになるのかというと、この本がまさに、そういうネガティブ・ムードの極みといえる時期に出たものだったからです。美しく、そして不運な1冊でした。

写真集『KING OF POP』

マイケル自身の著作、自叙伝『ムーンウォーク』と詩集『ダンシング・ザ・ドリーム』は別格として、本のジャンルでそれらに次いで良いものというと、実はそれほど多くはないんじゃないかと思います。たぶん、片手で数えられるほどではないでしょうか。

少なくともマイケル本人に何らかの「OK!良いね!」をもらっているものでなければ、あまり興味を持つ必要はないと思います。

その意味では、この本はご丁寧に「認定書」なるものが付いている、ちょっと変わったタイプの本です。マイケル本人が書いたわけではないけれど、本の製作過程に関わり、出来上がりの内容にもOK!を示した、ということらしい。こういった触れ込みは、高価なプレミア本により箔をつけるための常套句とも受け取れるわけで、ミラも中身をよく理解する前は、「またまたー、こんな大げさな認定書まで付けちゃって・・・ホントに本人はこの本知ってるんかいな」などとツッコミを入れたりしてました。

キング・オブ・ポップ

この本はそもそも「2001年マイケルのソロ30周年記念」ということで作られたものです。マイケルの輝かしいキャリアはもちろん網羅的に書かれていますが、むしろ重要なのは、チャリティの理念や「オックスフォード大学講演」の全文など、その時点での最新のマイケルのビジョンがハッキリと示されていることです。

2002年にマイケルはドイツのとある授賞式に招かれ、その授賞式の楽屋で、マイケルは完成したばかりのこの本の肉声ボタンの仕掛けを押してゲストに見せたりしている映像が残されています。そういうわけで、「公認」は紙っぺら1枚だけ、というわけでもなさそうです。
そしてその授賞式でも、マイケルは世界の平和を願うスピーチを行っています。

ところが、その週のワイドショーやゴミ雑誌が大騒ぎした話題といえば、「ドイツ滞在中のマイケル、ホテルのベランダから赤ん坊をぶら下げる!虐待!!」

授賞式のスピーチもまったく注目されれないわけではなかったのですが、それは内容ではなく、マイケルの「挙動不審」という話にすりかわってしまいました。マイケルはスピーチ原稿を読むためにメガネを掛けようとして、少し慌ててしまうのです。本人いわく、人前で新しいメガネ(いわゆる読書用メガネ、老眼鏡)を掛けるのはその時が初めてだったので、ちょっと照れくさかったらしい。メディアは待ってましたとばかりに、観客の前でうろたえ気味のマイケルをクローズアップして、「うっかり続きの挙動不審マイケル、大丈夫!?」というふうに、Jackoという架空の奇人変人像を、周到に作り上げていったのです。
さて、この時の平和スピーチの中身そのものは、日本のワイドショー視聴者にちゃんと伝わったでしょうか?情けない。

さらに2003年に入ると、例の、完全詐欺の偽ドキュメンタリー番組や、逮捕・家宅捜索・起訴といった、マイケルのイメージ史上最悪の暗黒期に突入していきます。メディアのネガティヴ攻撃は限度を知らず、マイケルのことをよく知らない人たちが持つイメージは歪んで肥大し、かつて誰もが知っていたはずのシンプルな「マイケル・ジャクソン」という人本人は、どこか遠くに隠されてしまいました。

実像をよく伝えているこの本のような良質な商品も同じで、なぜか市場で「売りにくい」という状態に追いやられました。人々は、マイケルのチャリティ理念よりも、マイケルのセックス・ライフに興味を持ち、ネバーランドの寝室を掻き回したかったのです。

2005年に裁判でマイケルの全面的な潔白が明らかにされてやっと、この本は細々と日本市場でも出回るようになりました。3kgもある布貼り装丁の超豪華大型本、しかも限定本であるにもかかわらず、ミラが入手した当時、箱入り新品なのに価格は定価の81%オフ!という、涙の出るような、実際、投売り状態の在庫処分安値で放出されていました。
驚くべき素晴らしい本であるだけに、ファンとしては、嬉しいような悲しいような複雑な気持ち、というか、ただただ悲しい気持ちになったものです。

公認写真集『KING OF POP』 公認写真集『KING OF POP』

09年6月以降、マイケルグッズ市場は、この夏の悲しみを「金の成る死」などと言って、無情にも活気づいています。CDやDVD、本は爆発的に売れ、今まで見向きもしなかった人たちまでもが、マイケルの面影を求めて、永遠のキングを、ランキング上位に返り咲かせています。
それを非難するつもりはありません。マイケルのことを知りたい、と思う人が増えたことは、良いことだと思います。そのキッカケは、出来れば、THIS IS IT の楽しい50公演だったらどんなにか良かったのに・・・とは思います。

この本のことを、「ちょっと写真が粗いよね」とか、「編集の詰めが甘いよね」などと評する人もわずかですが存在します。言わんとすることはミラにも分かります。ですが、ミラはこの本に、並々ならぬ肩入れをしてしまうのです。
「最近出た本で、これよりももっと良いのがあるよ」と言いたい人もいるかもしれません。でも、なぜ、今さらなんですか?もう遅い、あまりにも遅いし、今さら出すくらいなら、あの時何をやっていたんですか?そりゃあ、今の方がよっぽど売れる、それがビジネスだということは仕方ない。でも・・・・・・ミラがここで何を吠えてもどうにもならないのは百も承知です。ただ、悔しい気持ちがいつまでも消えません。

ともかく、オックスフォード大の講演は、2001年からはずいぶん時間が経ちましたが、ようやく、そこそこ知られるようになって来たんだなと思うと、ミラも嬉しくなります。別にミラが執筆したわけでも何でもないのに、そんなおこがましいことを言うのもアレなんですが、でも、本当に、知って欲しいな、と思わされる、そんなスピーチです。

そして、30THアニバーサリーの17年ぶりの生ジャクソンズのステージで、賑やかに兄貴たちに囲まれ、抱きしめられるマイケル。思い出深く、ミラの大好きな1枚です。

king of pop
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| レビュー/本、雑誌 | コメント(0) | トラックバック() | 【2001/03/30 20:16 】 TOP▲
01年、GetMusic.comによる音声チャット・インタビュー。Part.6ホーム2001年、オックスフォード大学での講演。Part.0(解説・感想)
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