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| | 【2024/03/29 10:17 】 TOP▲
1982年、『Interview』、MJ&キング・オブ・ポップアート。Part.3
 Part.2 からの続き Part.3
敬愛してやまないチャップリン、ビジネスとマネー(堅実な23歳の経済観念が明らかに)、ルイや2頭の鹿といった良き友たち、芸術と信仰、諸々の世間話をしてウォーホルを待ちます。


BC: ファッションにはよく気を使う?

Michael: ううん。僕はステージで着るものには気を使う。でも僕が好きなものは知ってるよね。僕は毎日の洋服には気を使わないんだ。衣装やコスチュームを身につけて鏡で自分を見てみるのは好きだよ。バギーパンツや、何かすごくファンキーな靴や、帽子とか、個性を感じるようなもの。楽しいね。

BC: 君は毎日の生活の中でも演じることが好きなの?

Michael: とても好きだよ。エスケープ(脱出、逃亡)だ。楽しい。別のもの、別の人間になるのは巧みなことだよ。特にそれを本当に信じてしまえれば、演技でさえなくなる。僕は常々「演じる(acting)」という言葉が嫌いなんだ、「私は俳優(actor)です」なんてさ。それ以上のものであるべきだよ。もっと、「信じる人(believer)」とかであるべきだよ。
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BC: でも、完全に信じきってしまうのは、ちょっと恐ろしくないかい?

Michael: ノー、それが僕が大好きなことだよ。僕は本当に忘れちゃうのが好きさ。

BC: なぜ君はそんなに忘れてしまいたいのかな?人生ってそんなにハードだと?

チャップリンのコスプレMJMichael: ノー、きっと理由はね、僕は他の人々の人生に飛び込んで探検してみたいんだよ。チャーリー・チャップリンみたいに。僕は死ぬほど彼が大好きなんだ。「小さな放浪者」、道具から何から全部、彼のハート、スクリーンで彼が描いたものすべてが自明の理だよ。彼の人生丸ごとそうなんだ。彼はロンドンで生まれて、父親はアルコール依存で彼が6歳の時に亡くなってる。彼の母親は精神病院にいた。彼はイギリスのストリートをうろつき、物乞いをして、貧しく、ハングリーだったんだ。これがすべてスクリーンに反映されてる、それが僕が好きなことなんだ、そういった真実をすべて表に出すことがね。

(画像右; 1983年4月16日、チャップリンの誕生日に敬意を表し、チャップリンのコスプレをするマイケル。)

BC: お金を稼ぐことには気を配ってる?

Michael: 僕のすることに対して公平に支払われるということには気を配ってるよ。プロジェクトが始まると、僕は全神経をその部分に持っていく。僕は本当にそこに配慮してるからね、僕は関わってきたすべての仕事でそうだよ、キチンと払ってほしい。働く者は食べるべきだ。シンプルなことだよ。

BC: 君は自分自身のビジネスをとてもキッチリと理解してるんだね?

Michael: あぁ、そうだよ。

BC: 君、いくつ?

Michael: 23。

BC: 時々、自分は子ども時代を逃してしまった、なんて感じることはある?君は大人の世界でずっとパフォーマンスしてきたわけだから。

Michael: 時々ね。

BC: でも、君は自分よりもずっと年上の人たちが好きなんだね、経験豊富な人々が。

Michael: 経験してきた人たちが大好きだよ。驚異的な才能を持った人々がね。懸命に働いて、勇気を持ってやってきた人たち、それぞれの分野でリーダーであるような人たちが大好きなんだ。僕にとって、そういった誰かと会って彼らから学ぶ、彼らと言葉を分かち合う、僕にはそれは魔法なんだ。一緒に仕事すること。僕はスティーヴン・スピルバーグに夢中なんだ。僕のもうひとつのインスピレーションといえば、それがどこから来るのかはわからないけれど、子どもたちなんだ。もしも落ち込んだら、僕は子どもたちの写真が載った本を手にとって眺める、そうすると気分が上向きになるんだ。子どもたちのまわりにいること、魔法だよ。

BC: 子どもたちには何かポジティブで勇気づけるような力があるね。君はたくさんの動物たちも飼っているんじゃなかったっけ?

Michael: 以前はね。今は赤ちゃんシカを2頭持ってるだけ。男の子と女の子なんだ。すごく可愛いよ。ゴージャスだよ。
ルイとマイケル
BC: どうしてシカを撃てる人がいるのか私には理解できないよ。

Michael: 僕も大嫌い。剥製の店やそういう下らない物は全部嫌いだよ。僕はラマも飼ってる。羊も。彼はツノがあって雄羊みたいになんだ。ルイはサーカスから来たんだよ。彼はラマ。雄羊の方はミスター・ティブスって呼ばれてる。子鹿たちはプリンスとプリンセスだよ。

(画像右; ラマのルイとマイケル、80年代前半。ルイは、バブルスやヘビのマッスルと並んで、MJの友として有名。)

BC: 彼らが大きく成長した後はどうするつもりなの?

Michael: 庭に放してあげるよ。うちには2エーカーあるんだ。

BC: どんな車を持ってるの?

Michael: ロールス。黒いやつ。

BC: それを運転するのは好き?

Michael: 僕は運転したいなんて全然思わないんだ。うちの両親が無理に僕に運転させるのさ。クインシーは運転しないよ。僕の知ってるたくさんの人が運転なんかしない。
(注・・・マイケルは23歳でやっと運転免許を取得している)

BC: アンディ(・ウォーホル)は運転しないよ。

Michael: それがスマートだよ。まぁ、ちょっと独立して逃げ出したいって時にはいいよね。でも僕はあまりあちこち行かないんだ。僕はあちこちの場所を知らないし。僕はただ車で通りを下って行くくらいだよ。

BC: 君はあまり外に出かけないの?

Michael: 『ゴールデン・テンプル』に行くだけだよ、健康食レストランなんだ。僕はベジタリアンなんだ。あとはアーケードへ行ってゲームをしたり。

BC: アートには興味ある?

Michael: 鉛筆やインクペンで絵を書くのが大好き。芸術は大好きなんだ。ツアーに行ってオランダやドイツ、イギリスの美術館に行くと、ほら、大きな絵画があるでしょう、僕はただビックリ仰天だよ。一人の画家があんなことできるなんて思いもよらない。僕は彫刻や絵画を見ると完全に我を忘れちゃうんだ。そこに立って見ていると、シーンの一部になってしまう。涙を流させるし、ものすごく心に触れる。ほら、俳優やパフォーマーもそうあるべきだと思うんだ、人間の内側の真実に触れるということがね。リアリティに触れる、そうすると自分のやっていることに他の人も一体化できるし、望むままどこへでも連れて行ける。僕も幸せだし、みんなも幸せ。人の感情どんなものでも、まさにそこに存在するんだ。だから僕はリアリズムを愛するんだ。プラスチックは好きじゃない。深い底の方の内側では、僕たちはみんな同じなんだ。僕らはみんな同じ感情を持っている、だから『E.T.』のような映画はみんなが感動するんだ。ピーター・パンみたいに飛びたいって思わない人がいる?宇宙から来た魔法の生命と一緒に飛びたい、友達になりたいって思わない人がいる?スティーヴンはハートにストレートにくるんだ。彼は知ってるのさ、「迷ったら、心に聞け」。

BC: 君は信心深いんだよね?

Michael: うん。僕は聖書を信じてるし、神を信じてる、エホバとその教え全部ね。

BC: それが君がひげを剃らない理由だっていう人がいるね。

Michael: オゥ、ノー!僕は剃るほどのものは何も生えないんだよ。剃ろうったって何もないんだもの。

BC: じゃあ、君は基本的にはクリスチャンなんだね。

Michael: 僕は真実を信じる。

BC: 聖書は読む?

Michael: うん、よく読む。

BC: 教会にも行く。

Michael: 僕らは教会とは呼ばない。キングダム・ホールっていうんだ。エホバの証人だよ。

BC: 君は明日ベット・ミドラーに会いに行くって言ったよね。何か一緒に仕事してるの?

Michael: ううん、僕はSeth Riggsという名前の男に会うんだ。僕は歌う時、声をしっかり開いておくようにしたいから、ダンサーがウォーミング・アップするようにね。

BC: じゃあ、発声のクラスにようなものだね。

Michael: そう。僕の用事が終わったら、彼女が来るよ。彼女はいつも時間通りなんだ。

Part.4 に続く 
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| 発言、インタビュー/テキスト | コメント(0) | トラックバック() | 【1982/08/20 00:30 】 TOP▲
1982年、『Interview』、MJ&キング・オブ・ポップアート。Part.2ホーム1982年、雑誌『Interview』、キング・オブ・ポップが二人。Part.4
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