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| | 【2024/04/26 02:12 】 TOP▲
1982年、雑誌『Interview』、キング・オブ・ポップが二人。Part.4
 Part.3 からの続き Part.4
いよいよ、ポップ・アート、そしてNYのパーティ・セレブの帝王、アンディ・ウォーホルとの会話。内気なマイケルとの対比が鮮烈で、微妙に話題が噛み合わないのがポイント。また、マイケルは読書や、断食による腸のクリーン習慣の推奨、自論の「エスケーピズム」について語ります。

(アンディ・ウォーホル作品。左は『TIME』誌の表紙。)
マイケル・ジャクソン、アンディ・ウォーホル作マイケル・ジャクソン、アンディ・ウォーホル作
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【ニューヨークのアンディ・ウォーホルから電話】

Andy Warhol: ハロー?

Michael: ハイ。

Andy Warhol: わぁ!エキサイティングだね。僕はウォークマンを使う時はいつも君のカセットを聴いてるよ。

Michael: 最近ライザに会った?

Andy Warhol: うん、会った。彼女はヨーロッパにいたけど、僕が彼女に会ったのはホルストン(NYのブランド)のファッション・ショー。彼女、髪を変えてたよ。彼女の髪は今の君みたいだよ。前髪がすごくカーリーで、すごく違って見えたけど、本当にプリティだよ。彼女の新しいルックはグレイトだよ。この週末は彼女はホルストンに来てたけど、今はニューヨークにいるよ。君はどうしてた?

Michael: 僕はいっぱいスタジオで過ごしてた、歌詞を書いたり歌やいろいろ仕事。

Andy Warhol: 僕は今夜、デュラン・デュランっていうイギリスのロック・グループをリッツに見に行こうかなと思ってるんだけど、彼らを知ってる?

Michael: ノー。

Andy Warhol: 先週、メドーランズでブロンディーを見てきたよ。

Michael: ブロンディーはどうだった?

Andy Warhol: 彼女はグレイトだったよ。すっごく猛烈。彼女は知り合い?

Michael: ううん、会ったことない。

Andy Warhol: じゃあ、君がニューヨークに来たら僕が紹介してあげよう。ツアーに出かけることは世界一ハードなことなんだろうね。

Michael: ツアーはなんていうか、ペース合わせだね。でもステージの上にいるのが一番魔法なことだよ。

Andy Warhol: 君が本当にビッグな映画をやるのが待ち切れないな。連中は君に何か言ってきてるかい?

Michael: 僕の部屋は台本やオファーが山積みさ。どれもたくさん、すごいアイデアだよ。でも僕みたいな人間っていうのはこうなんだよね、心の中には一緒に仕事したいなって思う相手がいるし、それに、自分が正しいことをやってるいるって確信が持てるようにしたいと思うし。僕はただ、ミスはしたくないんだ。

Andy Warhol: それ全部やってごらんよ。君はミスなんかやりっこないさ。君は本当にグッドさ。君は大人になったら歌手になりたいと思ったことはある?

Michael: 僕は歌っていない記憶がないよ。だから、僕は歌うことを夢見たことなんて一度もない。

Andy Warhol: 君は今も服をコレクションしてるの?良いデザイナーがいるかい?

Michael: 実を言うと、ステージに上がる時以外は、僕はホントにあまり興味がないんだよね。僕が集めるのが好きなのは、コスチューム、海賊コートとか、そういうもの。でも毎日のファッションにはこだわらないんだ。

Andy Warhol: 今は何を着てる?

Michael: 今は、コーデュロイのパンツ、ひざに大きな穴が開いてる。それにピンクのシャツと、ネクタイ。

Andy Warhol: 君はたくさん出かける、それとも家にいる方?

Michael: 家にいるよ。

Andy Warhol: なんで家にいるのさ?外にはたくさん楽しいことがあるのに。君がニューヨークに来たら、僕らが連れ回してあげるよ。

Michael: 僕が出かけたいって思うのはニューヨークにいる時だけだよ。

Andy Warhol: 映画には行く?

Michael: オゥ、イエス。『E.T.』のアルバムの仕事をはじめるところなんだ。E.T.と僕の写真撮影があって、すごくワンダフルだった。彼、僕をハグしたり、いろいろとね。

Andy Warhol: 僕は『トロン』が好きだな。ビデオ・ゲームをしてるみたいだ。君は観た?

Michael: うん。僕は感動しなかったな。

Andy Warhol: えぇと、どうもありがとう。また近いうちにね。

Michael: そうだね。ライザに会ったらよろしく言ってね。彼女に大きなキスとハグをあげて。

【ウォーホル、電話を切る】

(画像下; アンディ・ウォーホルと。1981年)
アンディ・ウォーホルとマイケル・ジャクソン、1981年。

BC: ローリング・ストーンズは好き?ミックとは少しは知り合い?

Michael: 僕、トイレで彼と出会ったんだ。彼はそこにキースと一緒にいた、キース・ムーンだっけ?

BC: キース・リチャーズ。

Michael: キース・リチャーズ。僕はそこに入って行って、「オゥ、ハイ」って言った。それで僕らは話し始めた。それから僕は自分のセッションに戻って行った。僕はあんまり彼をよく知らないんだ。

BC: たくさん読書するの?

Michael: うん。読書が大好き。僕は哲学や短編小説が好き。最新のベストセラーをチェックするのが好きなんだ。L.A.タイムズの日曜版カレンダーが僕のお気に入りの新聞さ。どこで何が起こってるか知りたくさせるよ。お気に入りの作家もいる、これは読んだばかりのベストセラーなんかじゃないけどね。僕はみんなが何をしてるか見るのが好きだし、人々の興味に遅れずについていくのが好きなんだ。けっこう肉体労働だよ。

BC: エクササイズしてる?

Michael: 毎週日曜日に、30分ぶっ続けで休みなくダンスするよ。そうするのが好きなんだ。

BC: どうして日曜日に?

Michael: ただ僕が選んだ日だから。毎週日曜に断食してるようなものだよ。何も食べないんだ。ジュースだけ。

BC: なんでそんなことするの?

Michael: システムを一掃するのさ、腸をきれいさっぱりさせてね。すごく良いと思うよ。ホントに働きを良くするためには、やった方がいいよ。身体のシステムの排水バルブだからね。身体の外側をキレイにしておくように、腸もキレイにしておかなきゃいけないのさ。内側がクリーンでないと、システムのなかの不純物がすべて表に出てきちゃうんだ。ニキビとか、病気とか、毛穴が大きくなったりとか、表に出てきちゃう。毒素がシステムから出てこようとするんだ。みんな自分をクリーンに保つようにするべきだよ。

BC: 君は新聞の第一面は読まない?

Michael: 読まない。眺めたりはするけど、読みはしないよ。

BC: あまりにも憂鬱になる?

Michael: そう。いつも同じ古い話ばかりだし。僕は人をハッピーにするのが好きなんだ。それがショー・ビジネスのすごいところさ。現実逃避(escapism)だよ。5ドル払ってそこに座れば、そこは別の世界なんだ。世界の問題を忘れられる。それがエンターテインメントだ。それがミュージックなんだ。
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| 発言、インタビュー/テキスト | コメント(1) | トラックバック() | 【1982/08/20 00:01 】 TOP▲
1982年、『Interview』、MJ&キング・オブ・ポップアート。Part.3ホーム1980年『20/20』、シルヴィア・チェイスによるインタビュー。
コメント

無題

抜粋とかで所々は読んだ事があったのですが全文は初めてです。
長い翻訳ご苦労様です。ありがとうございます♪
やはり通しだと前後関係が良く分かりより正確に言葉の意味が理解できるなーって思いました。

この頃のインタビューは悪意のある質問も無くマイケルも構える事なく率直に話していて良いですね。

この当時みたいにマイケル側からも世間に発信して、マスコミや世間とそれなりのコミュニケーションも保てられ、そこそこバランスの良い関係をその後も続けていられれば良かったのになあ・・って思いました。

ウォーホールとの噛み合わなさが笑えました。
でも正反対が案外気が会うってありますもんネ、
| ふみ | | 編集 | 【2010/01/10 14:22】 TOP▲
世間話風の会話が、今となってはかえって新鮮ですよね。
このインタビューは、印象的な言葉があちこちに引用されたりしていますもんね。でも逆に、何気ない世間話風の会話部分も、けっこう面白い。
ウォーホルも強烈ですよね・・・この時代の「セレブ」といえば、マイケルよりもむしろウォーホルの方が、まだまだかなり「上」で、派手にブイブイやってた時期だと思います。
それにしても・・・ファッション・セレブに「今何着てる?」と聞かれて、「ズボン穴あき。」と答える、この天然漫談・・・笑

コメントありがとうございます
| 管理人ミラ | 【2010/01/15 00:52】 TOP▲

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